ホーム » ルールについて » ECU(エンジン・コントロール・ユニット)の統一

MotoGPにはマシンのエンジンを制御するソフトECU(エンジン・コントロール・ユニット)があります。
2013年までは各メーカーで独自のECUを使っていましたが、2016年から格差をなくすため全車両同じものの搭載が義務づけられました。

ECUの役割

エンジンの制御を行うソフトウェアです。点火時期や燃調、トラコンの燃費制御などを受け持っています。
そのため、ECUとは基本的にエンジンの出力を抑える技術です。
制御を効かせれば効かせるほど、アクセルを開いても加速しないマシンになってしまいます。
このため、ECUを嫌う選手もいました。

ECUのデメリット

凹凸がない路面を想定しているため、路面に凹凸があってジャンプしてしまうと電子制御が作動して、エンジンの出力を自動的にカットしてしまうデメリットがあります。
路面に凹凸がないのが理想ではありますが、電子制御が過剰に発動してしまうサーキットが存在するので、ライダーたちも大変です。

ECUの操作

ECUの電子制御はライダーが制御することが可能です。ハンドルにボタンが取り付けられており、走行中に押すことで設定を変更できる仕組みです。
ボタン毎に色分けされており、赤はパワーで押すたびにマッピング(電子制御の設定をまとめたもの)が切り替わります。
青いボタンがローンチで、スタート時に押して、ローンチコントロールを発動させます。
黄色のボタンはフューエルで燃費節約モードです。
ボタンの数はメーカーごとに異なっており、ホンダやヤマハは赤と黄を統合してボタンの数を減らしています。
レースになると状況に応じてボタンを押す必要はありますが、やはり押し間違いがあるようです。
スタート時にスタート用のボタンを押すところを他のボタンを押してしまい、モードが切り替わり上手く走れなかったということもありました。
2016年からマニエッティ・マレリ社のECUとなり、現在ではいかにECUを使いこなしてエンジンや車体の性能を引き出すかが勝負になっています。