ホーム » ルールについて » 2027シーズンから排気量が850ccに!?

レギュレーションの変更を検討、排気量が850ccに?

モータースポーツの世界では「速さ」「安全性」、そして近年では「環境性能」とのバランスが求められる傾向が強まっています。
ライダーは「とにかく速く走る」ことを目指している一方、チームはライダーの安全も考慮し、バイクを開発するメーカーは速く、安全で、しかも環境に過度な負荷をかけないバイクを作り出すことが求められているわけです。

こうした近年の傾向を象徴するような話題が持ち上がっています。
2027年から、MotoGPのレギュレーションを変更、排気量を850ccに減らすというのです。
これはまだ正式決定したものではなく、あくまで検討段階にある話ですが、後述するようにバイクの高速化がライダーの安全性を脅かしているとの理由からこの排気量の減少が討論されているのです。

じつはこの排気量のダウンは、過去にも一度行われています。
2007年、今回よりもさらに小さく800ccに変更されたのです。
しかしこれはうまくいったとは言えず、2012年に1000ccに再び変更されています。
ですから、今回のレギュレーション変更の噂はまた同じテーマが持ち出されたものと言えます。

もともとバイクは自動車と比べてライダーの危険が大きく、しかもメーカー同士の熾烈な開発競争によって高速化がどんどん進んでいます。
現在では最高時速も360kmを超えるレベルにまで達しており、このまま高速化が進むとライダーの安全性が確保できなくなる、と不安視されるのもごく自然なことなのかもしれません。

バイクの高速化と安全性のバランス

ますます続いていく高速化において、ライダーの安全性をいかに確保するのか、このバランスが近年のモータースポーツ、とくにバイクの世界の問題となっています。
自動車の場合、高速化に合わせてクラッシュ・転倒時の安全性能を高める開発を行っていくことも可能ですが、バイクの場合はどうしても限界が出てきます。
その結果、高速化ばかりが進んでしまい安全性がないがしろになる、といった事態も起こりうるわけです。
そうなると、メーカー側の開発力に任せるわけにはいかず、レギュレーションのレベルでなんらかの規制をしないとライダーを守れない状況にまで達しているのでしょう。

なお、今回のレギュレーションの変更においてはすでに日本メーカーの賛同を得ており、現在圧倒的な強さを誇るドゥカティもすでに賛成の意志を示しているといいます。
あくまで現時点では「話し合いの段階」とされていますが、この状況から見ても実現の可能性はそれなりに高いと言えるのでしょう。
なお、2027年のレギュレーションの変更では100%再生可能燃料の導入も予定されており、環境性能の面での規制強化もさらに進められていくことが明らかになっています。