ウイングレットのメリット・デメリット
MotoGPで使用されるマシン(バイク)には全車ウイングレットがついています。
ウイングレットとはフロントカウル両側に取り付けられたパーツのことで、2016年から急速に普及していきました。
もともとはドゥカティが試していたものです。
MotoGPマシンは最高速350km/h以上で300馬力近くあることから、6速になるとウイリーしてしまいます。
このウイリーを防ぐため、ウイングレットはダウンフォースを発生させることで、車体を路面に押し付けウイリーを防ぐのです。
高速時だけではなく、低中速時でもブレーキングの安定性にも効果があると発表されています。
2016年はタイヤがブリヂストンからミシュランに変わった時期。フロントの接地感が変わったため、高速度域のダウンフォースを稼ぐためといわれていました。
ウイングレットにはメリットばかりではありません。
ハンドリングが重たくなるという症状もあり、それを嫌がってウイングレットを付けなかったり、小さくしたりしてマシンに乗るライダーもいます。
また、開発競争によるコスト増加も懸念されています。
そのため、MotoGPの下位カテゴリであるMoto2クラスやMoto3クラスでは使用が禁止されています。
ウイングの歴史
ダウンフォースを生むためにスズキが1978年にウイング付きのマシンを開発しましたが、思うような効果を得られずその年でお蔵入りになりました。
それから32年、2010年にドゥカティのMotoGPマシンに小さな翼端板付きウイングを付けましたが、定着せずなくなります。
しかし、2015年に同じくドゥカティで復活。ウイングはかなり大きな形状で、片側2枚、計4枚となっています。
これを見たヤマハもすぐに取り入れて2015年シーズンに同様のウイングをフロントノーズ左右に装着しました。
2016年になると他のメーカーも取り入れていきます。
2017年にはウイングの危険性が取りざたされる結果に。走行中に他車と接触した場合危険だからです。
現在は大きな突起になるウイングは禁止となっています。
そのため、各メーカーはカウルの形状を工夫した形で様々なウイングレットを開発しています。