ジョアン・ミルの経歴
レブソル・ホンダに所属するジョアン・ミルは、1997年生まれ、スペイン出身の若手ライダーです。
まだ20代半ばの若さながらも2020年にMotoGPのチャンピオンを獲得するなど、すでに世界トップクラスの評価を得ており、今後の活躍・飛躍にも期待が集まっています。
彼の名前が知られるようになったのは、2013年から参戦した若手ライダーにとっての登竜門とも言えるレッドブルMotoGPルーキーズカップでの活躍です。
とくに2014年には3勝を挙げて総合ランキング2位に躍進、この活躍をきっかけに2015年にはMotoGPのオースラリアGPに代役として参戦(日本人ライダーの尾野弘樹の代役でした)も実現しています。
2016年からMoto3クラスに参戦、ルーキーイヤーながら早くも優勝を飾るなど活躍、年間ランキング5位になります。
そして2017年にその才能が一気に爆発、全18戦で10回の優勝を飾るなど圧倒的な強さを見せて見事チャンピオンを獲得します。
翌2018年からMoto2クラスに参戦、ここでもルーキーイヤーから活躍して「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に選出、その年にスズキから翌年からのMotoGPクラスのオファーを受け、Moto2を一年で「卒業」したうえで早くも最高峰クラスで勝負することになりました。
2019年はチーム・スズキ・エクスターに所属して参戦しました。
たださすがに最高峰のレベルは高く、レース中の転倒で怪我をするなどのトラブルもあって総合ランキングは12位、レースでの最高位も5位の数字で終わります。
これまでクラスを上げるたびにルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得してきた彼ですが、最高峰クラスでは獲得することができませんでした。
しかし、2020年シーズンではその実力を発揮、毎回のように優勝争いを繰り返すなど活躍し、見事にシリーズチャンピオンの獲得に成功しました。
新型コロナの影響で不規則なシーズン編成、有力選手(マルク・マルケス)の長期欠場といった特殊な事情があったとはいえ、23歳でのチャンピオン獲得は史上7番目の若さという快挙でした。
その後2022年、スズキのレースからの撤退に伴いレプソル・ホンダへの移籍が決定、新たな舞台でのさらなる飛躍が期待されています。
ジョアン・ミルのライディングスタイルは?
彼のライディングスタイルに関しては、「したたか」との評価をよく聞きます。
レース中の転倒を除けばコンスタントに表彰台に乗るなど安定した走りを見せており、非常に安定感がありクレバーな走りをするライダーとも見られています。
コースの状態はもちろん、レース展開などもつねに正確に把握しながらレースを進めていくことができる頭の良さや分析力も備えている、単に「速く走る」才能だけでなく、「レースに勝つため」の頭脳も備えている、といったところでしょうか。
ジョアン・ミルの性格に関しては、彼自身が「メディア向けの性格ではない、名声を得ることにも興味がない」という発言がよく知られています。
この言葉に集約されるようにあまり派手なパフォーマンスや発言でメディアを賑わせるようなことはなく、レースだけでなく言動においても堅実で安定性を備えている性格のようです。