2023シーズンの戦績について
2022年シーズンにおいて、イタリア人としてはバレンティーノ・ロッシ以来のイタリア人チャンピオンに輝いたのがフランシスコ・パニャイヤ選手です。
もはやMotoGPを代表するレーサーといっても過言ではないでしょう。
前年度チャンピオンとして迎えた2023年シーズンにやおいては、前年と同様ドゥカティ・レノボ・チームからの参戦。
19戦に出走して7勝、15回表彰台に乗るなど安定した成績を発揮し、同年はホルヘ・マルティンが大活躍したことでパニャイヤは連覇できるのか?との声もシーズン中には上がっていましたが、結果を見れば前年度チャンピオンの名に恥じぬ走りを見せて堂々の2連覇を達成しました。
これによって、改めて現代最高のライダーとの称号を確保したといっても過言ではないでしょう。
パニャイヤの強さの理由とは?
2021年のMotoGPシーズンでは2位とすでにトップクラスの成績を残していたものの、その前年の2020年は16位でしたから、2021年に一気に飛躍した印象もあります。
その大きな転機となったのが、2020年まで在籍していたアルマ・プラマック・レーシングからドゥカティ・レノボ・チームへの移籍です。
ドゥカティチームで参戦するようになってから2位、1位、1位と文句のつけようのない成績を残しているわけですが、この移籍が非常に大きな転機となったのは間違いないでしょう。
近年のドゥカティチームの圧倒的な強さから考えても、「ドゥカティのマシンと戦術が素晴らしいからだ」という理由も間違いないでしょう。
良いマシン、良いチームで走ることができるようになったことで、本来の才能が発揮されるようになったといったところでしょうか。
ただ単に強いチームに移籍したから勝てるようになった、では片付けられない秘密が彼の強さにはあるようです。
例えばライバルのライダーからは、「ソファでくつろぐかのような形でレースをしている」という評価をしています。
ドゥカティチームとの、そしてドゥカティチームの戦術との相性がよく、リラックスした状態でレースに臨むことができているのでしょう。
それが彼の能力を最大限に発揮する環境を作り出しているのかもしれません。
それから、彼の優れた点として挙げられるのがブレーキングです。
コーナーでのカーブにおけるブレーキングが非常に素晴らしく、カーブの時点で他のライダを引き離すことに成功しているといいます。
パニャイヤ自身は、スピードと一貫性の面でまだまだ向上・改善の余地があるといったコメントをしています。
ブレーキングという際立った能力を持っている一方で、強さをひと言では表現できない総合的な強さを備えていることがうかがえます。
さまざまな面で秀でているうえにチームとの相性も良い、そうなるとなかなか調子を崩すシーンは想像しづらく、これからも彼の強さは続くことも予想できるでしょう。